2000年代前半ごろまでのパネライ コピーにおいて、「デッドストックムーブメント搭載モデル」という粋なコレクションが存在していました。
デッドストックのムーブメントを搭載した新製品(新品)というのは、この時代のパネライ以外では聞いたことがないわけですが、とても良いアイデアだと思います。
とはいえ、パネライ以外のブランドが、デッドストックムーブメントを搭載したモデルを出したとしても、「違和感がある」という可能性もあります。
しかし、この時代のパネライの場合、もともとが「遠い昔の“幻モデル”を復刻した」という点だったり、「かつてはロレックスからムーブメント供給を受けていた」という点、また、1997年には、ロレックスそのもののデッドストックムーブメントを搭載したPAM00021を出していたという経緯から、「デッドストックムーブメント搭載」ということの相性が良いといえます。
つまり、デッドストックムーブメント搭載モデルは、1997年登場の21番の延長線上にあるともいえるわけで、それが「ラジオミール」という1950年前後に存在していた幻のモデルの“復活”と相まって、なんだか「しっくり来る」わけです。
そんなラジオミールのデッドストックムーブメント搭載モデルですが、これだけ濃い内容でありながら、現在の時計ファンの中では、それほど「知られてない」状況だといえます。
実際、中古市場での出現数が少ないため、「知られてない」というのは仕方がないといえるわけですが、そういった希少モデルでも、「有名オークション会場では高く評価されている」という事例もあります。
そんなデッドストックムーブメント搭載のパネライでありますが、久々に中古市場に登場。
そうなると、「現在の評価」がどうなっているかが分かるわけですが、なんと値下がりという様子。
このPAM00449の現在水準は、驚くべきことに、2018年6月よりも44万円程安価であるのです。
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この78番は、オメガのデッドストックムーブメントを搭載したモデル。2001年に登場した限定品で、75本が世に出た模様です。
そんな貴重な78番が、前回中古市場に登場したのは、2018年のこと。その際、筆者は78番の出現を逃さなかったため、しっかり記事にしたわけですが、その際の販売価格は約273万円でした。
2018年といえば、ノーチラス5711/1A-010が400万円台、デイトナ116500LN白文字盤が250万円以下(1月:約224万円、12月:約248万円)という相場だったわけですが、その時、このPAM00449は約273万円だったわけです。
そして、現在の様子を見てみると、5711/1A-010は1390万円、116500LN(白)は約436万円。2018年水準と比べると、大きく値上がりしている状態であります。
それに対して、この78番は約228万円というように、2018年水準よりも安価。これだけ尖っているモデルでありながら、値上がりするどころか、下落状態なのです。